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居抜き物件とは メリット・デメリットと探し方の解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/04/20
更新日:2023/01/10

目次

居抜きとは以前のテナントが使用していた設備・内装を残したまま、売買または賃貸借されることです。主に飲食店や店舗、旅館など営業用の設備や内装が付帯した状態を指します。前テナントの設備をそのまま使えるので、開業資金を抑えられるのが大きな特徴です。しかしどのような物件を選ぶかで店舗の成否は大きく変わります。これから物件を探す方、検討中の方へ居抜き物件のメリット・デメリットおよび物件の探し方についてご紹介します。
 

居抜き物件のメリット

改装費・設備費などの初期投資の節約できる

飲食店の開店のためには、通常長い期間と多くの資金が必要となります。居抜き物件を選ぶ最大のメリットがこの初期費用を抑えやすい点にあります。通常、開業時の内装工事では厨房設備から家具を揃えて設置する工事費が高額になります。居抜き物件でコンセプトに合うものが見つかれば、内装工事もほとんど必要なく設備もそのまま使える場合が多いので、手ごろな価格で準備をすることができます。
 

工事期間の短縮ができる

内装の工事期間が大幅に短縮されるだけでなく、厨房や排気の設備などを選ぶ手間が省け、忙しい開店準備にも時間的余裕が生まれます。開業が早い時期にできれば、それだけ稼げる期間も早まり、オープンに伴うよいスタートができます。
 

以前からの顧客を取り込みやすい

新店舗をオープンして顧客を定着させるには、以前から利用していた顧客を取り込めることもメリットです。前店舗の認知度をそのまま維持できるため、ゼロから始めるより集客は有利になります。

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居抜き物件のデメリット

経年劣化により前の設備が使えない

設備は以前から使用しているものをそのまま使える一方、経年劣化している可能性があります。中古の厨房設備は耐用年数がすでに消費されているために、あまり長い期間使用することができません。開店当初からすでに中古品となることを念頭においておきましょう。故障してしまいメンテナンスが必要になったり、買い替えが必要になる場合も早期に起こることを想定しておく必要があります。開店後に慌てないためにも、事前に前回工事からの経過年数は確認しておきましょう。
 

以前のテナントイメージがある

設備をそのまま使う場合や内装を大幅に変えない場合は、前テナントの持っていた店舗のイメージが強く残る場合があります。ガヤガヤとした居酒屋の店舗から落ち着いたカフェの店舗にする場合など、業種が同じでも店舗イメージはがらっと変わってきます。以前からの顧客を取り込みやすい一方、新店舗としてのオリジナリティを印象づけるために内装の工夫や配慮が必要です。
 

内装にこだわりだすと必要以上にお金がかかる

居抜きはすでに店内がほとんど完成された状態のため、理想と合致する店舗をみつけることは容易ではありません。内装へのこだわりも大切ですが、ある程度の妥協や工事を入れる必要もあります。以前のテナントのイメージを引き継がないようにするためにも少しの改修は必要になりますが、新規店舗としてどの程度変更するか事前に決めておくとよいでしょう。
 

居抜き物件の探し方

実際に居抜き物件を探すにはなにから始めるのがいいのでしょうか。物件数は多く出回っていてもなかなか理想とするものには出会えないことも。自分がいいなと思う物件は、他の人からみてもよく見える物件のためスピード感も必要になってきます。理想の物件を見つけるために下記のような情報収集と条件の設定をしましょう。

インターネットや現地の不動産屋

第一に重視したいのが多くの情報です。専門のサイトもありますので、こまめにチェックするためにできるだけ多くの居抜き物件サイトに登録しておくのがおすすめです。物件の目星をつけたら実際に現地を歩いてみましょう。立地の確認にもなり、周辺の店舗状況なども把握することができます。次に出店を希望する地域の不動産屋に相談しましょう。できれば居抜き専門の不動産屋にすると、地域に特化していることが多く、相場や他店についての情報も得られる可能性があります。
 

希望する条件と妥協できる点を明確にする

どのような店にしたいかは人によってさまざまです。どういう物件を探すのか、地域、立地および駅徒歩、店内の規模、内装のイメージ、厨房機器の設備(必要なもの、不要なもの)など、考え出すと多くの条件が出てきます。100%理想とする物件はなかなか出てこないものと理解したうえで進めていくことが大切です。不動産屋に行く前に、「希望する隣接地域なら妥協できる、立地を重視するため店内はある程度狭くなってもOK、店の雰囲気を重視したいので立地にはこだわらない」など条件に幅を持たせることで選択肢も増えていきます。
 

スピード感も重要

物件を通して言えることですが、オーナーは物件の空白期間をあけたくないため、早期に決断をせまられることが多くあります。短期間でさまざまなことを決断するのは精神的にも大変なので、先に条件を絞っておくなど検討できる点は早期に済ませておきましょう。希望する物件が出ないとオープンも先延ばしになってしまいます。上記の希望する条件に加えて、開店時期も明確化しておくことで物件を決定しやすくなります。
 

まとめ

居抜き物件には開業資金の負担を軽減させ、オープンまでの時間を短縮できるという特徴があり、開業のハードルを下げてくれるありがたい物件です。しかし居抜きだからこそ、経年劣化など必ずしもメリットばかりではありません。店舗を選ぶ際は、事前に知識を付けておき、店舗選びのメリットを大きくしデメリットを小さくするための交渉や確認が必要です。店舗のコンセプトを明確化し、条件に優先順位を決めておくとスムーズに物件探しができるので、あなたの希望する居抜き物件を見つけましょう。

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