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飲食店で利用できる助成金一覧のご紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/04/08
更新日:2023/01/12

目次

新型コロナウイルス感染症の拡大により中小企業や小規模事業者多くがきびしい経営環境に直面しています。こうした中で国や地方自治体は経営環境が悪化した事業者を対象にさまざまな助成制度を設けています。

そこでこの記事では中小企業や小規模事業者を対象とする補助金や給付金制度に着目。国や地方自治体による各種事業支援制度をはじめ、新型コロナウイルス感染症に関連する特例措置や助成制度についてくわしく解説いたします。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は厚生労働省が所管する助成金制度のひとつ。さまざまな事情から就職が困難な状況にある求職者を、公共職業安定所(ハローワーク)や職業紹介事業者等の紹介で一年以上継続雇用することが確実な事業主に対して支給される助成金です。

支給額は雇用する労働者の区分(コース)ごとに定められており、新型コロナウイルス感染症の影響によって労働時間が減少した場合は支給額を減額しない特例措置を実施します。

特定求職者雇用開発助成金が対象とする労働者のおもな区分(コース)は以下の7種類です。

  • 高年齢者や障害者、母子家庭の母など就職困難者を雇い入れた場合の助成金(特定就職困難者コース)。 
  • 65歳以上の高年齢者を雇い入れた場合の助成金(生涯現役コース) 
  • 東日本大震災における被災離職者等を雇い入れた場合の助成金(被災者雇用開発コース)
  • 発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れた場合の助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
  • 就職氷河期に雇用の機会を逃したことで十分なキャリア形成がされず正規雇用が困難な者を雇い入れた場合の助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)
  • 自治体からハローワークに就労支援要請があった生活保護受給者等を雇い入れた場合の助成金(生活保護受給者等雇用開発コース) 
  • 特定求職者雇用開発助成金の対象者を成長分野等の業務に雇い入れた場合の助成金(成長分野人材確保・育成コース) 


厚生労働省では他にもさまざまな雇用関係助成金を設けています。内容は予算や社会情勢によって変化しますので、くわしくは以下に紹介する厚生労働省のWebサイトでご確認ください。

事業主の方のための雇用関係助成金

トライアル雇用奨励金

トライアル雇用奨励金は職業経験や技能等の不足により安定的な就職が難しい求職者について、公共職業安定所(ハローワーク)や職業紹介事業者等の紹介で一定期間トライアルとして雇用した事業者を助成するための奨励金制度です。

トライアル雇用によって採用予定者の適性や能力をあらかじめ見極めることにより良好な雇用関係の構築と雇用機会の創出が可能です。雇用対象者は中高年齢者や若年者、母子家庭の母や父子家庭の父、季節労働者、障がい者、ホームレスなどとなっています。

また令和3年からコロナ禍の特例として、就労経験のない職種に就職を希望する離職者もトライアル雇用の対象になりました。令和4年からは新型コロナウイルス感染症対応(短時間)トライアルコースの支給額が、条件によっては増額されることになっています。

詳しくは厚生労働省のWebサイトにて「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応(短時間)トライアルコース)」のページをご参照ください。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応(短時間)トライアルコース)

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、派遣労働者や有期雇用労働者など非正規雇用者のキャリアアップを促進するため、事業者が非正規雇用者を正社員に登用したり処遇改善を実施したりする取り組みに対して助成金を支給する制度です。

新型コロナウイルス感染症に関連する特例措置としては、コロナ禍の影響によって離職を余儀なくされた求職者が過去に経験がない職業を希望する場合に安定的な再就職を支援するために、令和3年度までの時限措置として助成金の対象枠を拡充した例があります。

キャリアアップ助成金は時代のニーズに合わせた改定をたびたび行っていますので、支給を申請する際は厚生労働省のWebサイトにて最新情報をご確認ください。

キャリアアップ助成金

創業助成事業

創業助成事業は全国の地方自治体や公共団体が地元の起業家や創業者に支援金を支給する制度です。具体的な支援内容は自治体ごとに異なりますが、基本的には地元で創業を予定しているかまたは創業して間もない中小の事業所に対して創業経費の一部を助成します。

東京都の場合、公益財団法人東京都中小企業振興公社が創業助成金制度を展開。都内で創業を予定しているか、または創業から5年未満の中小企業のうち一定の要件を満たす事業者に対して、賃貸料や人件費など創業初期に必要な経費の一部を助成しています。

創業助成事業は全国ほぼ全ての都道府県や主要都市などの地方行政機関が創業者向けに実施している地域限定の支援事業です。くわしくは各自治体の窓口か、各自治体と連携して支援業務を請け負う財団法人や公的機関、公共団体などにお問い合わせください。

コロナ関連の助成金

国や地方自治体では、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により業況の悪化に直面している個人や小規模事業者、法人などの事業や雇用を支援するためにさまざまな助成金の特例措置や支援金を設定しています。

たとえば労働産業省が主管する助成制度では、すでに述べた特定求職者雇用開発助成金やトライアル雇用奨励金、キャリアアップ助成金などに期限付きで特例措置を設定。さらに緊急小口資金・総合支援資金の償還免除や、休業支援金・給付金の特例措置も設定されました。

ほかにも新型コロナウイルス感染症の影響で事業の縮小に迫られた事業主が労働者を出向させて雇用を維持する場合に経費の一部を助成する産業雇用安定助成金や、新型コロナウイルス感染症を健康保険の傷病手当金の支払対象とする措置などを講じています。

また通商産業省は中小法人や個人事業者などの事業や雇用の維持継続や復活を支援するために事業復活支援金、小規模事業者持続化補助金などを支給する制度を展開。中小企業や小規模事業者をおもな対象とした経営支援を行なっています。

なお通商産業省の外局の中小企業庁が実施している事業復活支援金と、厚生労働省の雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)、商工会や商工会議所が実施する小規模事業者持続化補助金(通常枠)については次項で個別に解説いたします。

事業復活支援金

事業復活支援金は中小企業庁が実施する中小企業と個人事業者のための支援制度です。新型コロナウイルス感染拡大の影響により経営に打撃を受けた中小企業や小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して事業規模に応じた給付金を支給します。

給付条件は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた事業者で、対象月の売上が基準月より50%以上または30%以上50%未満減少していること。申請期間は2022年5月31日までとなっています。詳細については以下のWebサイトでご確認ください。

事業復活支援金 中小企業庁・事業復活支援金事務事業

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

雇用調整助成金は雇用保険の適用事業主が景気の変動や産業構造の変化といった経済上の要因によって事業活動の縮小を余儀なくされた場合、従業員に一時的な休業や教育訓練、出向などの雇用調整を実施することで雇用維持を図った際に休業手当を助成する制度です。

新型コロナウイルス感染症の影響にともなう雇用調整助成金の特例措置としては、令和2年4月1日から令和4年6月30日までの緊急対応期間を対象として助成率および上限額が引き上げられたほか、事業主が従業員を出向させて雇用を維持した場合も支給対象になります。

くわしくは厚生労働省のWebサイトをご参照ください。

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

関連記事:
雇用調整助成金とは 受給条件と注意点の解説

小規模事業者持続化補助金 通常枠

小規模事業者持続化補助金は小規模事業者および所定の要件を満たす特定非営利活動法人が、今後数年にわたり直面するさまざまな制度変更に対応するために行う販路開拓などの取り組みに対し経費の一部を補助する支援制度です。

この制度は小規模事業者等が自社の経営を自主的に見つめ直したうえで経営計画を作成し販路開拓に取組む活動を支援することにより、地域の雇用や産業、経済を下支えする小規模事業者の生産性向上と持続的な発展を支援することを目的としています。

通常枠では、事業者自身が策定した経営計画を商工会議所か商工会が審査。採択されると50~200万円を上限として支給されます。補助率は2/3が基本。対象経費は機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、開発費、外注費等となっています。

詳細は以下のWebサイトでご確認ください。

 日本商工会議所・小規模事業者持続化補助金

ちなみに商工会議所とは、特定の地区内における商工業の総合的な改善と発展を図るために設立された公益経済団体のこと。簿記検定などの資格検定試験も実施しています。また商工会は、地域内の商工業者の経営改善や指導を目的として設立された特別認可法人です。

まとめ

国や地方自治体が運営する助成金や補助金制度の多くは返済義務がありません。新型コロナウイルス感染症拡大によってきびしい経営環境に直面している事業者にとって、事業や雇用を維持する上で強力な支援となります。

申請にあたっては現在利用できる各種助成制度をインターネットなどで検索するか行政機関の窓口に相談することが必要です。

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