東京レストランツファクトリー様 ~スポットシェフ導入事例~
シェアダイン編集部
飲食店業界は開業後1年で30%、2年で50%、5年で60%が廃業に追い込まれる厳しい業界です。
そのような、厳しい業界で生き残るためには経営状況を数値で表している利益率に着目しなければなりません。
飲食店経営の指標になる利益率は5段階。その中でも、「粗利率」と「営業利益率」を把握しておくことがとても重要です。
そこでこの記事では、粗利率と営業利益率に着目すべき理由と計算方法を解説。
粗利率と営業利益率を高める方法にもふれています。
また、業態別利益率の平均を載せていますので、自分のお店と照らし合わせるなどしてお役立てください。
粗利率に着目すべき理由は、お店の安定的な経営のために「粗利益」の増加を目指す必要があるからです。
粗利益率が高いほど、原価が抑えられていることになり、最終的に当期純利益として店により多くのお金が残せることになります。
営業利益率に着目すべき理由は、営業利益率が高いほど、「お店の運営によって利益を稼ぎ出す力」があるとされる部分だからです。
銀行などで融資を受ける際に、最も注目されるのが営業利益です。
飲食店の利益は、売上高から何を差し引くかによって呼び名が5段階に変化していきます。
各段階での利益額が、売上高に対してどのぐらいの割合かを表したのが利益率です。
売上高から原価費用を差し引いて残った金額が粗利益(粗利)で、利益率を粗利率と言います。
ドリンク類を提供している場合の酒代なども原価費用として、ここで差し引きます。
粗利益・粗利・粗利率というのは現場での呼称で、会計上では売上総利益・売上総利益率と記載されています。
粗利益=売上高-原価費用
粗利率(%)=粗利益÷売上高×100
粗利益から販売費及び一般管理費を差し引いた残りの金額が営業利益となり、利益率を営業利益率といいます。
販売費及び一般管理費とは、飲食店の経営活動を行うことに付随して発生する費用(コスト)をいいます。例えば、従業員の給料の人件費・福利厚生費、広告宣伝費や水道光熱費、機材のリース代そしてトイレットペーパーなどの消耗品なども含まれ、事業を継続するためのありとあらゆるものがこの販売費及び一般管理費に含まれます。
営業利益=粗利益-販売管理費
営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
一般的に粗利率と営業利益率は月ごとに算出し、前月利益率と比べたり、過去の同じ月の利益率と比べたりします。
そうすることで、経営状態をしっかり把握でき、営業利益率が低くなった時などに早く気づけて、早めに対策をとることができるでしょう。
1. 食材費の見直し
あたりまえのことですが、購入先によって食材の値段は変わります。
少しでも安くできないか定期的に見直しましょう。
2. 在庫管理を確実に
在庫管理もしっかりすることで、食品ロスを少なくします。
食材の廃棄率が3%を超えると経営状態に影響が出るといわれています。
3. 高利益メニューの考案
原価率が低いメニューを考案することも有効です。
1. 人件費の見直し
2. 厨房器機類の減価償却費やリース料などの見直し
3. ガス代・電気代も業者によって値段にバラつきがあります。
4. 水洗トイレを節水タイプにしたり、手洗いよりも節水できる食器洗浄機を導入したりするなどの節水対策
5. 通信費などの見直し
6. 消耗品の購入先を見直し
これらの他にも、販売管理費で改善できる点がないかチェックして少しでも営業利益率をあげられるようにしていきましょう。
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最終的にお店に残る「当期純利益」をより大きくする対策は、「粗利率」を高めるところから始まります。
原材料費を最適化するために、定期的に仕入れ業者の見直しをしたり、料理の値段の見直しをしたりして粗利率を高めることをしましょう。
また販売管理費を最適化するために、ひとつひとつの費用がより抑えられないか見直すことも定期的にすることで、営業利益率も改善されることがあります。
「粗利率」と「営業利益率」に注目した経営に取り組むことがとても大切です。