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原価率とはなにか 計算の仕方と適切な比率とは

シェアダイン編集部
作成日:2022/03/17
更新日:2023/01/26

目次

飲食店を経営する上で「原価率」は非常に重要な言葉になります。常に「売り上げ」を意識して行う上に「コスト削減」を考えなければならない飲食店経営において「原価率」を意識しておかなければ赤字に傾いてしまうことは間違い無いでしょう。

この記事では「原価率とは」「原価率計算のやり方」「歩留まりとは」「F Lとは」「飲食店の原価率の目安」についてそれぞれ解説していきます。

どれほど売り上げが良くても原価がかかりすぎていては、十分な利益を得る事ができません。この記事を通して原価率について理解を深めればこれからの飲食経営に黒字をもたらすことが可能となるでしょう。
 

原価率とは

「原価率」とは飲食店を経営する上で非常に重要な言葉になります。販売した価格のうち原価が占める割合のことです。
しかし、まず先に「原価」について理解しなければなりません。「原価」は仕入れ費や製造費などにかかった元々の費用のことです。業界によっては人件費に対しても原価として含めることあるようですが、飲食業界では人件費は原価には含めず、メニューにかかる「原材料費」を原価と呼ぶ場合が多いかと思います。
そして原価率は売上に対する原価の割合のことを指します。
しかし、原価は常に変動します。「売れ残りが発生した場合」「食材の高騰による場合」などさまざまな要因で変動し、常に原価率を意識しなければなりません。
 

原価率計算のやり方

原価率計算の計算式は非常にシンプルです。下記にわかりやすい計算式をご紹介いたします。

原価率=原価÷売値×100
 
たとえば「売上1000万円」の時に「原価300万円」であれば原価率は30%
「売上500万円」の時に「原価100万円」であれば原価率は25%
となります。
 
またひとつの商品対しての原価率を計算する際も同様に求めることができます。
たとえばケーキ一個の原価が80円で売価が320円の場合は、
80÷320×100=25
という形で原価率25%と計算が可能です。

原価率を先に決めて、売価を決める場合

商品の値段を設計する際に原価率を決めて売値を設定する機会が往々にしてあるかと思います。
先程例にあげたケーキを使って計算をすると下記のようにして売値を求めることができるでしょう。

80÷0.25=320
 

歩留まりとは

歩留まりは主に工場で用意られる言葉ですが、飲食店における歩留まりは「仕入れた食材の中で製品化が可能な量(割合)」のことです。
製品化する上で、どのような食品でも届いた食品の全ての部位が使用されているわけではありません。また、製品を製造していく上で一定の割合で不具合が発生します。
例をあげると「不良品の廃棄」・「発注ミス」・「製造ミス」などです。

飲食店経営者はこれらのロスを抑えつつ製造に必要最低限コスト抑えて完成品を販売していく必要があります。
ちなみに、不留まりは加工者によってバラつきがありますので差があるかないかによって大きく金額に影響をもたらす可能性があることにも注意しましょう。
 
関連記事:
廃棄率(ロス率)とは 廃棄率の減らし方と歩留まりについて合わせて解説

F Lとは

「F L」とは「Food(食材費)」と「人件費(Labor)」のことです。
食材原価と人件費を示すF Lは、「F Lコスト」「F L比率」と言う経営指標があり、
「F Lコスト」は「food(食材費)+「Labor(人件費)」の合計金額で、「F L比率」はF Lコストの比率のことです。

どれだけ売り上げが良くても「F Lコスト」が高いと利益を生み出すことはできません。比率はF・L共に30%ずつの合計60%が目安とされています。また、F Lコストは業態や店舗によって異なり一流高級店や高級食材においては一流の料理人を雇わなければならない為人件費の比率が高くなり、反対にハンバーガーチェーン店のようなアルバイトを雇う店舗では人件費より食材費の割合が高くなる傾向がございます。

関連記事:
FLコストとはなにか 適切な人件費・食材費の解説

飲食店の原価率の目安

飲食店経営の原価率の目安は「30%」が目安と言われています。
しかし、経営する店舗の種類に応じて原価率の目安が変わります。主にカフェや喫茶店のようなドリンクをメインに営業をしている店舗では原価率が低くなるからです。

そのため初めのうちは原価率30%を基準にし少しずつ調整を行なうなど自分の店舗の経営に合わせた原価率を考えていきましょう。原価率の調整の仕方としては「F Lコストを考える」「フードとドリンクの比率を考える」「食材を無駄なく使う」などの対応がございます。
 

まとめ

「原価率」とは飲食店を経営する上で非常に重要な言葉になります。販売した価格のうち原価が占める割合のことです。しかし、原価は常にさまざまな要因で変動し、常に原価率を考えなければならないということを理解しましょう。
 
「原価率計算」を行うことで原価率を明確化し、経費をどのように抑えるのかを徹底しましょう
原価率=原価÷売値×100
 
食材原価と人件費を示すF Lは、「F Lコスト」「F L比率」と言う経営指標があり、「F Lコストは」は「food(食材費)+「Labor(人件費)」の合計金額で、「F L比率」はF Lコストの比率のことです。
比率はF・L共に30%ずつの合計60%が目安とされています。

飲食店経営の原価率の目安は「30%」が目安と言われています。
しかし、経営する店舗の種類に応じて原価率の目安が変わります。自分の店舗の経営に合わせた原価率を考えていきましょう。初めのうちは原価率30%を基準にし少しずつ調整を行なっていきましょう。
 
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