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飲食店で客単価を上げるための施策とはなにか

シェアダイン編集部
作成日:2022/03/22
更新日:2023/01/26

目次

どんなビジネスでもそうですが、売上は多いに越したことはありません。それは飲食業界についてもえることです。しかし、売上とはひとまとめにして考えるべきものではなく、客単価と来客数の積であるということを忘れてはいけません。これが客単価について考えるスタートです。

この記事では、客単価というものについて知り、売上を上げるためにいかに客単価を上げるかについて解説いたします。客単価を上げるためのさまざまな方法についても紹介しています。

客単価とは 

客単価とは「一人の顧客が一度の買い物で購入する金額」のことです。
コロナ以降売上を伸ばすには来客数を増やすことより客単価を上げることが大事と考えを改める方も増えたかと思います。これは外出自粛や休業要請、時短要請に応じて飲食店への客足が遠のいたことが原因の場合がございますしかし、店舗型の飲食店に限らずデリバリーサービスにおいても同様です。

客単価を上げることが出来れば、来客数が伸びなくても売上を伸ばすことができます。一人ひとりの顧客により多く買ってもらう、飲食店なら召し上がってもらうことがポイントです。
 
参照:客単価とは?計算方法や上げる方法を解説 活用する方法も紹介 | KitchenBASE

客単価をあげる方法 

客単価を上げる方法としては以下のような方法が考えられます。

  • 購入数を増やす(クロスセル)
  • 高単価の商品を売る(アップセル)
  • 松竹梅の法則を利用する 
  • 季節商品や新商品を利用する

 

購入数を増やす(クロスセル) 

客単価を上げる一つ目の方法は一人のお客により多く買ってもらうという方法です。“ついで買い”といってもいいでしょう。

お店のメニューに関連した何かをセットで販売するというものです。よくハンバーガー屋さんで「ご一緒にポテトもいかがですか?」などとってハンバーガーのサイドメニューにポテトやドリンクをセットで販売されています。
 
サイドメニューをつけて購入数を増やすやり方はデリバリーやテイクアウトのお店でもよく使われていますが、原価率の高いメインメニュー(例えばハンバーガー)に原価率の低いサイドメニュー(例えばポテト・ドリンク)をつけることによってもうけの確保にもなるのです。
原価率の目安はせいぜい30%です。ハンバーガーの原価率は40%を超えているといます。サイドメニューを一緒に買ってもらうことで、原価率が高い商品と低い商品を購入し、売上の健全化につなげましょう。
 

高単価の商品を売る(アップセル) 

反対に商品ひとつあたりの単価を上げるという方法です。単に商品を値上げして粗利を稼ぐということも考えられますが、同時に客足が遠のくおそれがあります。
 
そのため、単なる値上げではなく素材を吟味して付加価値を高めましょう。たとえはお米だったら「魚沼産コシヒカリ使用」みそ汁やうどんのダシに使う昆布だったら「利尻産昆布使用」と実際に使用している素材のブランド力を借ります。野菜ならオーガニックの有機野菜、肉類なら国産のブランド物を使用。アルコール類でも大手メーカーの一般的な商品ではなく、その土地の地酒・地ビールを提供して勝負するなど、本当に価値のあるものを出して価格を上乗せする方法をアップセルといます。
 

松竹梅の法則を利用する 

松竹梅の法則とは別にゴルディロックス効果ともいわれるもので、3つの価格帯があった時に人はたいてい真ん中の価格、つまり松竹梅でえば竹を選ぶ傾向にあるというものです。
 
例えば、お弁当の値段が松1500円・竹1200円・梅1000円とすればお弁当の内容に関わらず1200円の竹がよく売れる、といった具合です。一般に松2:竹5:梅3くらいの比率になるとわれます。
 
一番高い松は財布が痛む、一番安い梅ならやっぱりもうちょっと豪華なものが食べたい、という人間の心理からくるものです。より無難なものを選びたい、という心理でもあるでしょう。飲食業界以外についても当てはまり、不動産やホテル、観劇のチケットについてもえます。
 
松竹梅、というのは日本のお寿司屋さんなどの伝統的な呼び方ですが、この3段階にするというところがミソなのです。つまり2段階であってもダメですし4段階以上であってもよくないのです。
 
例えばもし、2段階だったら、値段の低い方ばかりが売れます。値段の高い高付加価値のものは売れ残ってしまい、逆に4段階だったら選ぶお客の側に迷いが生じて「買わない」という選択肢が生じるでしょう。これも商品が売れ残る原因となります。
 
逆に売る側としては一番売りたい商品を「竹」の値段に据えてメニューを作り、3段階の値段設定をすればいいでしょう。

参照:「松竹梅の法則」のマーケティング活用 - 企画の種 (p-torch.com)
 

季節商品や新商品を利用する 

客単価を上げるためには、変化をつけて常連客を飽きさせないことが大事です。その季節だけの野菜や果物、魚介類を食材として提供すれば新鮮味がありますし、実際旬の食材なので鮮度は折り紙付きです。
 
例えば、春ならふきのとうやタケノコ、秋ならナスやクリなどはその季節を連想させる季節の味覚です。その時だけ、という希少性は大きな付加価値になりますし、「来年もこの店に来てまた食べたい」とお客様に思ってもらえたら最高でしょう。
 
季節はやや先取り気味がいいでしょう。また、季節が過ぎればピタッと終えましょう。季節が過ぎているのに食材が残っているからとって販売を続けてしまうと、「この食材は人気がなかったのだな」と思われてしまします。残った食材は賄いにでもするといいでしょう。
 
また、新商品を置くのも同様です。マンネリになってきた常連客に対して新メニューを打てば、常連客は目新しさから飛びつくでしょう。いいアクセントになるはずです。新商品に惹かれてお店に入ったお客がそのまま通常メニューのファンになるということも考えられます。
 
新商品を開発するにはやはりそのコンセプトが大事です。サラリーマンの多い居酒屋で女性的なメニューを出してもあまりはやらないでしょう。また、どんな需要があるかを把握する必要もあります。一方で食べたい、と思わせるようなネーミングや見た目も必要です。「インスタ映え」などとうのはまさにそれです。

参照:飲食店のメニュー開発はこの法則で行う!メニュー開発の役立ちコラム (foodsfridge.jp)
 

客単価が下がる理由とは 

ありきたりな理由として売上を伸ばすことを見越した安直な値下げが客単価を下げる理由になることがあります。しかし、仕入原価が変わっていなければ収益は落ち込みます。かといって元に戻せば顧客が離れる結果となります。また、商品に安易にクーポンや特典を付けることも同様です。良かれと思ってやった顧客へのサービスが思わぬ仇になることがあるので注意が必要です。
 
客単価を上げる方法としてはやはり優良顧客を育てることでしょう。出来るだけ高いメニューを、多くのメニューを注文してくれるお客様になっていただくこと。お客様になっていただくにはクロスセルやアップセルも用いて顧客満足度を高めることです。そして、顧客を囲い込むことが重要です。
 

まとめ

客単価を上げるには様々な施策が必要です。
クロスセル
1人のお客様に複数の商品を購入していただくこと
アップセル
一つの商品の単価をあげること
松竹梅の法則
プランを三段階用意すること
 
ただ前述のさまざまな方法も万能ではなく、例えばクロスセルは「必要のないものまで売りつける押し売り」のイメージも伴うから注意が必要です。
 
本当にお客様から選ばれて客単価が上がり、売り上げが上がることを目指しましょう。

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