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店頭販売をやる際の注意点とメリット・デメリットの解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/04/08
更新日:2023/01/18

目次

新型コロナウイルス感染症の拡大により飲食業はかつてない状況に直面しています。東京商工リサーチの調査によると、2021年に負債額1,000万円以上で倒産した飲食店は648件。そのうちの約半数がコロナ禍の影響とされており、被害の甚大さがうかがえます。

この非常事態ともいえる状況下で経営危機に瀕した飲食店の窮余の策として注目されるのが飲食物の店頭販売です。そこでこの記事では飲食店が店頭販売に乗り出す意味と具体的なメリット、店頭販売に必要な資格と注意点などについて解説していきます。

店頭販売とは

飲食店の店頭販売とは、実店舗の厨房で調理した料理をテイクアウトできる容器に包装して店舗の敷地内で客に販売すること。キッチンカーのような移動販売や屋台などの路上店は含まれません。

店頭販売はコロナ禍に立ち向かう飲食店が「3密」を避けて料理を提供できる対策として、大手外食チェーンをはじめ個人店の間でも導入の輪が広がっています。

ちなみに「店頭」という言葉には「店の入口やその付近」という意味のほかに「店舗内で客の目に触れる部分全体」「商品の陳列棚やサービスカウンター、レジスターなどを備えた客と応対する場所」といった意味があります。

そのため一般の小売業における「店頭販売」とは販売員が店内で消費者に直接商品を販売することを意味します。つまり通信販売や訪問販売の反対語であり、店舗販売の同義語です。一言で「店頭販売」といっても場合によって意味が変わりますので、ご注意下さい。

店頭販売をするメリット

2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために多くの飲食店が休業や営業時間短縮といったきびしい対応を迫られました。店頭販売は複数の客が同じ屋内空間で同時に飲食する機会を防止できるため、感染拡大のリスクを回避する効果があります。

またコロナ禍でステイホームが浸透したことで飲食店のデリバリーやテイクアウトの利用者が急増。新型コロナウイルスの感染拡大防止策で営業が制限されても店頭販売を行えば「巣ごもり需要」という新たなビジネスチャンスを獲得するチャンスが生まれます。

さらにアフターコロナを見据えたビジネス形態としても店頭販売にはさまざまなメリットがあります。たとえばランチやディナータイムに店内が満席になっても店頭販売で料理を提供できれば、客席数や回転率などの制約による売り上げの頭打ちも回避可能です。

また店舗のすぐ前で店頭販売を行えば店のPRにもなるだけでなく、店内に入ることをためらう客にも手軽に試食できる機会を提供できるので客層の拡大や集客力の向上にもつながります。こうした活動はアフターコロナ時代への地ならしとしても効果的です。

店頭販売をする際に必要な資格

食料品の製造販売を行う場合は、店舗ごとに食品衛生責任者を設置しなければなりません。すでに飲食店営業許可証を取得ずみの場合は食品衛生責任者の申請も完了していますので、店内の厨房で調理した料理を店頭販売する場合に限り、資格や届出は必要ありません。

ただし店頭で弁当の注文を受けてご飯を盛り付けたり、スープなどを店頭で調理する場合は飲食店営業許可以外に露店飲食店営業の許可が必要です。また米飯類の調理は露店飲食店の営業許可があっても店頭ではできません。

米飯類の調理は必ず飲食店営業許可証を取得した店舗の調理場で行ってください。またテイクアウト用の料理は調理してから客が飲食するまでに時間がかかるため、一部の食品については保健所の許可や届出が必要になります。

たとえば菓子、パン、調味料などの店頭販売を行う場合は品目に応じた製造業許可が必要です。またラーメン店やそば、うどん店などが自家製造した麺を容器包装して販売する場合は麺類製造業の許可を届出なければなりません。

そのほか肉まん、あんまんなどの既製品を店頭で蒸して販売する場合も営業届出が必要になります。ほかにも精肉や生鮮魚介類、牛乳などを販売したり、他の製造業者から仕入れた惣菜や弁当などを転売したりする場合も品目に応じた販売許可や届出が必要です。

店頭販売をする際の注意点

飲食店があらたに店頭販売を行う際に知っておくべき注意点としては、まず第一に衛生管理を徹底することがあげられます。店頭販売は店内で料理を提供する場合に比べて調理から飲食するまでの時間が延長されるため食中毒のリスクが高まります。

店頭販売やテイクアウト用の料理は飲食店営業許可を取得した店舗の調理場において製造および容器包装を行わなければなりません。料理を容器に入れる場合も温かいものと冷たいものと一緒に入れないこと。サラダや生ものはできるだけ避けることなどが重要です。

また、あらかじめ製造した弁当を店頭に並べて販売する場合は、弁当の温度管理ができる冷蔵設備を用意するなど、衛生管理を徹底し、安全な食品を提供するように心がけましょう。

次に食品を包装した容器には、原材料名や添加物などの食品表示が必要になります。ただし飲食店営業許可証を取得した店舗の調理場で調理した食品で短期間に消費されることを前提に提供される場合は不要です。

それでも正確な製造日時や賞味期限、保存方法やアレルゲンなどの注意事項や重要な情報はできるだけ表示するように心がけましょう。表示は読みやすく、わかりやすい言葉で正確に記載すること。そして容器包装を開かなくても読める場所に表示しましょう。

まとめ

飲食店の店頭販売とは、実店舗で調理した料理を容器に包装して店舗の敷地内で客に販売すること。新型コロナウイルスの影響を受けた飲食店の窮余の策として注目されています。

すでに飲食店を開業している店舗が店内の厨房で調理した料理を店頭販売する場合、新たな資格や届出は必要ありません。ただし店頭での調理を行う場合は露店飲食店営業の許可が必要です。

また一部の食料品をテイクアウト用に販売する場合は品目に応じた販売許可や届出が必要となる場合も。店頭販売は調理から飲食までの時間が長いため衛生管理を徹底して安全な食品を提供するように心がけましょう。

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