東京レストランツファクトリー様 ~スポットシェフ導入事例~
シェアダイン編集部
飲食店にとって常に悩みの種として付きまとうのが人手不足の問題になります。
飲食業界の離職率は他の業界と比べても非常に高く、仮に店舗に新しい人が入ったとしても、あまり長い期間は続かずにすぐ元の状態に戻ってしまうのもよく聞く話です。
この記事では飲食店の人手不足の原因、人手不足の解消法について解説させていただきます。
人間と人間が働く以上、考えや価値観も人それぞれですし、誰しもが納得のいく環境作りというものはなかなかに難しく、大なり小なり不満は出てしまうものでしょう。
不満の原因を把握し、その対策をひとつひとつ考えることで、少しずつでも状況の改善に役立てることが出来ましたら幸いです。
一般的に、人手不足の原因として
・店舗での労働時間が長いこと
・それに見合わず給料が安いこと
の二点が、飲食店で働く際のマイナスイメージとして大きなものになります。
反対に、
・手に職がつくこと
・お客様に喜んでもらうやりがい
・賄いにより日々の食費が浮く
などといったプラスの面も存在はしますが、やはり飲食業界は人の出入りが激しく、なかなか人材が安定しにくいものであるというのが実情です。
飲食店が人手不足となってしまう原因を、いくつか掘り下げて解説させていただきます。
飲食店の基本的な営業スタイルとしては、
・ランチ営業→アイドルタイム(店を一時的に閉める時間)→ディナー営業
…ランチ営業を行う居酒屋、各料理専門店など
・ランチ営業→カフェタイム(ドリンクと軽食)→ディナー営業
…ファミリーレストラン、ショッピングモール内のレストランなど
・ランチ営業、ディナー営業、深夜営業のみ
…定食屋、居酒屋、バーなど
と、大きく分けるとこのように分かれます。
ランチ営業、ディナー営業のどちらも行う店舗では、ランチの仕込みをするために朝から、ディナーの片付けをするために深夜までと、定時で働くような会社員よりも長い拘束時間での労働になることが多いものです。
そのため、休憩時間の確保が必要となってきますが、上記のアイドルタイムが存在しないお店は従業員が交代で休憩時間を回すことになります。
日によっては、お客さんの入り方次第で、満足な休憩時間を確保できないこともあるため、労働時間が日々不確定・不規則なものとなってしまうのは働くうえでのリスクといえるでしょう。
また、定休日の有無も大きく関係してきます。
曜日固定の定休日がある店舗はある程度、仕入れや仕込みの目処をつけることが出来ますが、定休日なしの店舗は休みも交代で回す必要があります。
なかでも従業員が少ない店舗は、安定した休みのあるシフトを組みにくくもっなてくるため、生活のリズムが不規則になってしまうマイナス点が存在するのが実情です。
飲食店は、お客様が来店し、食事やお酒を楽しみ、その時間に対しての対価を頂くことで、初めて経営が回っています。
当然のことながら、働く従業員が人間であると同様にお客様も人間なので、会話上での相性の良し悪し、雰囲気や性格の合う合わないは存在してしまうものです。
とはいえ、お客様からお金を頂く以上は、相手に対して好き嫌いと言っている場合でもないため、自分の感情を抑えるのが苦手であったり、それを全くしたくないという方にとっては、労働がストレスに感じることがあるかもしれません。
また、一緒に働く従業員との関係も重要です。
長い労働時間で1日の大半を一緒に過ごす仲間である以上、そこの関係が険悪であると業務に支障をきたすだけでなく、心身に余計なストレスを抱える事となります。
労働の内容はもちろん大切ですが、働く上での人間関係もないがしろには出来ない重要なポイントといえます。
各店舗の労働環境にもよりますが、ランチからディナーまで通しての営業や、深夜から朝方までのバータイムなど、基本的には勤務中のほとんどを立ったまま過ごすことが多くなります。
営業中のピークでは小走りになることも少なくないですし、労働時間のシフトが安定しなかったり、休みの日が不確定であったりすることも珍しくはありません。
飲食店での勤務は、まさしく”体力勝負”という言葉通りな面があるため、年齢を重ねる度、体がついていきにくくなるというのはよく聞く話です。
飲食店は低賃金なことが多いことも、人手不足の大きな原因の一つです。
労働時間は長くなってしまうことから、”働いた時間と金額が割に合わっていない”と不満に感じてしまう方も少なくありません。
朝早くの出社、休憩時間を削る、閉店後の残業などは給与に反映されないこともあり、店舗によってはボーナスが出ないところもあります。
大きなやりがいのある仕事であることは間違いありませんが、それだけでは暮らしていけない、という視点から、働く人が少なくなってしまうのも実情です。
飲食業界は、一般的に
・低賃金
・長時間労働
・体力仕事
という大きなマイナスイメージが定着してしまっているため、新卒採用などで人員を確保することが難しい業界になります。
たくさんの飲食店が立ち並ぶ現代では、いかに店舗に人材を確保するか、という人材の奪い合いが起きている状態です。
仮に店舗に入社したとしても、定着して長い期間働いてもらえる可能性が高い業界ではないため、人の入れ替わりが激しい、人材が安定しない、慢性的な人手不足、よって、業務が増え、職場の空気も悪くなり、その業界に新しく入ろうという人が少なくなる、といった負の連鎖が起きてしまうことになります。
慢性的に人手が不足しているということは、それ相応の原因が常に存在してしまっている、ということになります。
長い労働時間や安い賃金などの、飲食店に代表されるような問題点をすべて一気に解決する、ということは現実的には難しいことですが、一つずつを少しでも改善していく、存在してしまうデメリットを上回るような魅力を打ち出す、というように、人手不足の解消に向けて行える方法を何点か解説させていただきます。
福利厚生とは、会社が従業員に対して行う、給与や賞与以外の報酬やサービスの総称です。
目的として
・従業員とその家族がより良い生活を送れるようにする
・労働環境を整えることで能力を存分に発揮してもらう
ことなどがあげられます。
健康保険や厚生年金などは、法律で義務付けられている”法定福利厚生”になりますので、
人員を確保するためには、企業が独自に設けることの出来る”法定外福利厚生”をいかに充実させ、入社、在籍することにどんな魅力があるか、という点で他社と差別化をすることが必要です。
有名なものでは
などが法定外福利厚生にあたります。
また、社員旅行や育児支援なども魅力的な福利厚生のひとつです。
意味のない制度は作るだけ無駄ですが、他社と比べて魅力のある制度を設けることで入社してもらえたり、その後の仕事のパフォーマンスを上げていくことが出来たりするのであれば、費用や需要をよくを検討したうえで、導入を考えてみる価値はある方法になります。
人手が少なくなっても仕事の内容はそのまま、となるとスタッフ一人あたりの仕事量が増えていく一方ということになってしまいます。
お客様によるセルフサービスのような人件費の削減、セントラルキッチンの利用による作業工程の簡略化など、日々の営業におけるスタッフの仕事量を軽減し、労働効率をあげる施策を実施するということは、人員を確保するためには効果的な方法のひとつです。
ここでを付けるポイントとして、
というような点があげられますので、店舗のイメージ、客層、求められるサービスなどを総合的に考え、導入を検討する必要があります。
なんとか入社する人数を増やせたとしても、そこから安定して働いてもらうことは重要なポイントです。
場合によっては、
・営業時間の改革(ランチ、ディナーのみ)
・営業形式の改革(テイクアウト、デリバリーのみ)
といったような、思い切った改革を検討することも必要になる場合もあります。
ですが、従業員のことを考えるあまり、お客さんの需要から離れてしまうようなら本末転倒ですし、ころころとお店の形式を変えるようだと、軸がぶれているようでお店の信頼も失いかねません。
気軽に行える方法ではありませんが、大きな変革を行わないと現状を打破できないという可能性もあります。
様々な条件に左右されるので一概に正解がどうとは言えませんが、ハイリスクハイリターンな方法のひとつです。
正社員としては人気の少ない職種にはなってしまいますが、学生のアルバイトには賄いによる食事補助、来店時の割引などによるメリットから一定の人気があります。
コロナ禍において急増しているのが、数時間単位の超短期・日払いバイトの存在です。
人手が欲しい日のなかでも、特に忙しい数時間に絞り募集をかけることで、上手くいけば人件費の無駄を最小限に抑えて営業を乗り切ることが出来ます。
また、もし感触が良ければ正規のアルバイトとしてスカウト、採用できることもあるかもしれません。
その日限りというデメリットはありますが、出会いの分母を増やすことが出来るメリットは大きいものといえます。
飲食店が常に頭を悩まされるのが人手不足の問題です。
原因としては、
などの点があげられます。
これらの解決を目指す方法としては、
などを検討する事が考えられます。
世の中に飲食店があふれているなか、有望な人材は早い者勝ちです。
一度入社してもらえたなら離れていかないよう、従業員にとってのお店の魅力を上げ続けることで、働くモチベーションが上がることから結果的には店舗の質の向上、ひいては売り上げの上昇にも繋がります。
会社、店舗によって条件は違うことから、すべての改善策を行えばそれでよいという訳ではありません。
それぞれに合う方法を模索し、実行、現状の改善に少しでも役立ちましたら幸いです。
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