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飲食店の決済は現金以外に何がある?導入方法と各特徴のまとめ

シェアダイン編集部
作成日:2022/03/29
更新日:2023/01/23

目次

日本政府が「2025年6月までに、キャッシュレス決済比率を40%にする」と掲げました。
その後、コロナウィルス感染防止の観点から、飲食店業界でもキャッシュレス化が一気に進みました。
経済産業省が2021年6月に公表した、キャッシュレス決済実態調査アンケートの結果によると、実に飲食店の85.4%がキャッシュレス決済を導入しているということです。

キャッシュレス決済の方法も以前では、クレジットカード決済がメインでしたが、最近では種類が増え複雑になった感があります。
そこで、この記事では、キャッシュレス決済の種類と導入のメリットを解説してまいります。
また、2022年1月からゆうちょ銀行で現金の取り扱いが有料化されたことを受け、現金払いにおける注意点についても説明させていただきます。

キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、現金を使わずに会計を行う方法のことです。
代表的なキャッシュレス決済は3種類に分けられます。

クレジットカード決済

キャッシュレス決済の中で、消費者から最も多く利用されているのがクレジットカードです。
なかでも、世界の5大ブランドとして、VISA、Mastercard®、アメリカン・エキスプレス®、JCB、Diners Clubが知られています。
近年では、中国の銀聯、アメリカのディスカバーを含めて7大ブランドとも言われています。

事業者がクレジット決済を導入するためには、以下のいずれかの方法で加盟店契約の申込みをします。

  • クレジット会社に直接申し込む
  • 決済代行サービス会社に申し込む


いずれの場合でも、最終的にクレジット会社の審査が通って契約ということになります。
クレジットカード決済システムは以下の3種類があります。

  • ICチップ
  • 磁気ストライプ
  • タッチ決済


日本においてはICチップが主流ですが、海外ではタッチ決済のついたクレジットカードが増えてきているので、インバウンド需要を見込むのであれば、タッチ決済対応にしておくといいでしょう
クレジットカードと見た目が似ているカードにデビットカードというものがあります。
消費者がクレジットカードとデビットカードを利用する際の違いを比較して説明いたします。
クレジットカード

  1. 利用するために審査がある
  2. 発行元はクレジット会社
  3. 18歳以上から利用可
  4. 事後決済(利用締め日があり翌月請求)


デビットカード

  1. 利用するための審査なし
  2. 発行元は銀行
  3. 15歳以上(中学生は除く)
  4. 即時決済(利用と同時に銀行口座から引き落とし)


デビットカードは利用額の一部がポイントや現金に還元されることや、クレジットカードと違って使い過ぎの心配がないなどの理由から注目を浴びています。


QRコード決済

近年利用者が急速に伸びているのがQRコード決済です。

お客さまのスマホのアプリで、店舗に用意している専用QRコードを読み取ってもらう「ユーザースキャン方式」とお客さまのスマホで提示したQRコードやバーコードをお店側で読み取る「ストアスキャン方式」の2通りの方法があります。
株式会社インフキュリオンの「決済動向2021年12月調査」によると、QRコードの利用者が56%と過去最高を記録しました。
参照:: QRコード決済の利用率が56%と過去最高を更新 注目を集めるBNPL(後払い決済サービス)の利用者は約7割が女性 | インフキュリオン - Infcurion, Inc. 

QRコード決済を導入するためには、導入するQRコード決済サービスを選んだら、インターネットに接続できる通信環境を整えてから、以下の方法で加盟店契約の申込みをします。

  • QRコード決済会社に申し込む
  • QRコード決済サービスの取り扱いがある決済代行サービス会社に申し込む


個人事業主の場合は運転免許証やパスポート、保険証などの本人確認書類が必要になり審査があります。
売上はQRコード決済を提供する会社が定める入金サイクルに沿って、事業者の銀行口座に入金されます。締め日や入金日など入金サイクルは、会社によってまちまちです。
QRコード決済が利用されると、QRコード決済を提供する会社へ支払う決済手数料が発生します、決済手数料は会社によって異なるので、導入前に各社の手数料を把握しておくことが大切です。
その他に、売上が入金される銀行口座によって振込手数料がかかることもあります。

電子マネー払い

電子マネーを大きく2つに分けることができます。

  • Suicaなどの交通系電子マネーに代表される、あらかじめ電子マネーカードやアプリにチャージした金額の範囲以内で利用する前払いの「プリペイド型」
  • クレジットカードと連携させて、支払日に利用料金が引き落とされる後払いの「ポストペイ型」


電子マネーを導入するためには、以下のいずれかの方法で契約を申し込みます。

  • 電子マネー決済提供会社と直接個別で申し込む
  • 決済代行サービス会社に申し込む


複数の電子マネー決済を導入する場合、システムの改修が必要であったり、各電子マネー決済会社とのやりとりが煩雑になったりするので、決済代行サービス会社に申し込む方法が一般的です。

電子マネー決済を導入する際、情報を処理するために必要なモバイル回線及びWi-Fiなどのネット通信費用もかかってきます。
サービスや導入方法によっても金額は大きく異なり、ネット回線の開通工事などで別途費用がかかるでしょう。
クレジットカードやQRコードと同様、電子マネーでも決済手数料がかかりますが手数料の相場は3~5%と、クレジット決済よりは比較的安くなっています。

キャッシュレス決済のメリット


キャッシュレス決済利用者の集客効果

キャッシュレス決済アプリの地図情報に自店舗が掲載されたり、ホームページやグルメサイトで利用可能な決済方法を掲載することでキャッシュレス決済利用者の入店動機に繫げられます。

インバウンド集客に期待。

世界的に利用されているVISA、Mastercard®などのクレジットカード決済、中国人観光客向けに、クレジトカードの銀聯(UnionPay)や、QRコード決済のAlipayやWeChat Payの導入をすることでインバウンド集客に対応できます。

現金の手渡しがなくなり衛生対策。

新型コロナウィルスの対策が叫ばれている昨今、多くの人の手を渡ってくる現金の手渡しを避ける傾向があります。現の受け渡し回数が減り、店側にとっても利用者側にとっても衛生面でのメリットがあると言えます。

レジ業務の効率化。

会計時のお客さまと店員のやりとりが減り、レジの打ち間違いや、お釣りを渡す際のミスもなくなります。また、会計に要する時間が短縮されるので、お客さまのレジ待ちの防止にもなります。


現金払いの注意点

「ゆうちょ銀行」は、全国に2万3,000を超える店舗数、3万2,000台のATM設置数と巨大なネットワークをもつ金融機関です。
多くの国民や事業者に利用されている「ゆうちょ銀行」ですが、硬貨の入出金が一部有料になりました。
具体的には、ATMで硬貨を払い戻しする場合の手数料が110円、預け入れの場合は25枚までが110円、50枚までが220円、100枚までが330円かかります。
また、窓口での硬貨預け入れ・払い戻しは50枚までは無料。50~100枚までが550円、500枚までが825円、501~1000枚は1,100円の手数料がかかります。
現金取り扱いの有料化は、ゆうちょ銀行に限ったことではなくメガバンクでも行っています。

つまり、現金の扱いが多ければ多いほど、銀行に支払う手数料が増えてしまう状況になりました。

社会全体にとって、キャッシュレス化を進めることで、現金に関連する社会的コストを削減できるので、この流れは進むと思われます。

まとめ

QRコードの登場で、クレジットカードや電子マネーの導入に二の足を踏んでいた小規模な店舗でも、キャッシュレス化が簡単になりました。

社会全体として現金決済関係が有料化し、キャッシュレス決済化を推進する方向性である以上、新たな決済インフラとして定着しつつあるキャッシュレス決済化にいち早く対応し、積極的に取り組むことはこれからの時代に必要なこととの認識が大事です。

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