東京レストランツファクトリー様 ~スポットシェフ導入事例~
シェアダイン編集部
現代の生活になくてはならない電気はですが、飲食店を開業しようと思った時必要な電気代はいったいどのくらいなのか、不思議に思ったことはないでしょうか。
どの店舗でも、店内には灯りがともり、雰囲気に合った音楽が流れ、夏は涼しく、冬は暖かく年中快適な温度になるよう空調が効いています。
お客様にストレスを与えず、くつろいでいただく為に必要なおもてなしですが、その全てに電気が必要です。
この記事では飲食店での電気代とその原因について解説をいたします。
飲食店の電気代と一口に言ってしまっても、店舗の大きさや、業態、提供している料理などによって変わってきます。
例えばラーメン店は出汁をとり、麺を茹でる為の大量の水、それを常に沸かしておく為のガスが必要なため水道光熱費が高くなる傾向にあるでしょう。
反対に、お酒の提供がメインで料理を出す機会が少ないバーは光熱費が低くなる傾向があります。
電気代を含む水道光熱費の目安は全体の売上に対してラーメン店が10%程度、飲食店の平均では5%程度だといわれています。
その中、水道光熱費の内、電気代が占める割合はなんと70~80%と言われており、全体の売上に対して5~6%程度なので、売上が100万円の場合5~6万円が電気代となります。
水道光熱費の内訳は電気、ガス、水道です。
飲食店の場合、ガス、水道に比べ電気代にかかるコストの割合が高いのは、店内を照らす照明設備や、常に作動している業務用冷蔵庫、快適な温度設定になっている空調等、電気を使う設備が他の業種の店舗より多くあります。
例えば美容室の電気代の平均は売り上げの4%程度と言われているので飲食店はほぼ倍近くの電気代がかかることになります。
カフェならばレストランと比べ電気代を抑えられると思いきや、そうでもありません。
レストランにはランチ営業とディナー営業の間のアイドルタイムがありますが、カフェはアイドルタイムを設けていないところがほとんどでしょう。
つまり、開店から閉店まで常時照明や空調を点けているわけです。
また昨今の分煙化により喫煙室を設ける場合は、喫煙室用にも空調設備が必要になります。
この照明と空調が電気代の大半を占めており、店舗で消費されている電力の半分は照明とエアコンです。
飲食店においてはどんなに小規模な飲食店でも、冷蔵庫が1台という店舗は恐らくないでしょう。
この飲食店で使用している業務用の冷蔵庫や製氷機、オーブンなどの厨房機器類は一般家庭用のものとは異なり、厨房機器も飲食店の光熱費がかさむ原因の一つです。
また飲食店の光熱費がかさむ要因としてプランの影響もございます。
飲食店では動力プランや低電力プランと呼ばれる電気をたくさん使用する業務用機器向けプランを契約していることが多いでしょう。
このプランの特徴は電力量料金が家庭用に比べかなり低い事がメリットの一つです。
しかし、基本料金である契約電力が家庭向けは20~30Aなのに比べ、動力プランや低電力プランは1kW×単価で計算されます。
その為、大きな電力を必要とする厨房機器が多い飲食店は基本料金が跳ね上がり、光熱費の下限の金額が家庭に比べどうしても高くなってしまいます。
電力の自由化により、一般企業が電力の小売りに参入するようになったようになりました。
電力自由化とは2016年4月に行われた「電力の小売り全面自由化」のことをさします。
それまでは電力は東京電力や関西電力など10社が日本の各地域で独占販売をしていましたが、この電力の自由化によって、電力の小売販売に一般企業が参入できるようになりました。
結果、各小売業者は独自プランを打ち出し、個別の料金設定ができるようになり、消費者側も、今までは選べなかった電力会社が、自由化により自分の利用状況に応じたプランを提供している電力会社を選び契約できるようになりました。
2017年4月からはガスの小売業も電力同様自由化され、これにより電気+ガスのセット割引や電気+ガス+通信のセット割引等様々な料金メニューが登場。
そのため、今までの電力会社から他社と比べ、契約プランを見直すことができるようになりました。
開業して以来、電気会社との契約を見直していない場合は一度見直すと月々の料金が大幅に下げることができるかもしれません。
既存の設備、例えば照明をLEDにする、空調をメンテンナスする、省エネモデルの機器に買い替えることも重要です。
特にLED電球は白熱電球に比べ、消費電力が少なく、光量も高いのが特徴です。買い替えのコスト、日々のランニングコストと見比べ白熱電球からLEDへの変更も先々での光熱費節約において効果的な手段になるでしょう。
空調は設備が汚れると冷暖房の機器が悪くなります。
その為、室外機周りを整理する、フィルターをこまめに掃除する、年に1回は業者さんに清掃やメンテナンスをお願いして汚れが溜まらないようにしておきましょう。
扇風機やファンを活用して冷暖房効率を上げる方法もあります。
業務用の機器は交換するのに数万円単位の経費が必要になる為、うるさいもあるかもしれませんが、最新モデルは省エネ機能が高く、10年以上前の機器を使っているのであれば、交換することで大幅な電気のコストカットにつながることもあります。
今回は、飲食店における電気代とその削減方法について3点ご説明しました。
・水道光熱費における電気代が占める割合
・飲食店の電気代が高い理由
・電力の自由化と料金を見直すポイント
電気代といっても、家庭用とは契約プランも使用量も全く異なり、飲食店では月に数万円もの出費になってしまいます。
あるアンケートでは電力の削減に興味がある飲食店は86.2%とコストカットへの高い関心があることがわかります。
そして、電力の自由化で電力会社を選べるようになったことで、40%程の飲食店が電力会社の切り替えを実施したことがあるという結果も出ています。
いきなり電力会社を切り替えるのではなく、プランの見直してみる、電球をLEDに切り替えてみる等、お店のイメージや雰囲気を損なわない程度でまずは身近なところから少しずつ使用量の削減を始めてみるのもいいかもしれません。
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